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    2016.01.14 Thursday

    成年後見人司法書士は買主を代理して後見人所有不動産の所有権移転登記申請ができるか

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       (倫理事例)
      成年被後見人Aの成年後見人司法書士甲は、今般、A所有の不動産を売却することになった。司法書士甲は、司法書士として所有権移転登記の代理を買主Bから委任を受けることができるか。
      不動産が居住用不動産の場合であるか否か。また、買主Bから登記申請代理報酬を受領するかしないかに分けて考えなさい。


      原則、受任すべきでないが、居住用不動産の場合であれば買主Bから登記申請代理報酬を受領しなければ受任できる(私見)。

      (理由)
      民法108条は自己契約・双方代理を禁止している。たとえば、目的物を不当に廉価な価格で売買するといったように、自己契約においては代理人が自らの利益を図って本人に不利益を及ぼすおそれがあり、双方代理においてはもっぱら一方の当事者の利益のみを図るおそれがあるからである。このように、本条は、契約当事者の間に利益相反が存在する契約を代理人一人が双方の地位に立って行うことを禁止する。
      108条は「代理人となることはできない」と規定しているが、それは、同条に違反してなされた代理行為は無権代理行為になるということを意味している(行為が確定的に無効となるのではない)。したがって、本人が後で追認することによって本人に効果が帰属する(116条)⇒後見人が追認できるか否かに関しては最判平成6年9月13日を参照。成年後見人としては追認拒絶することになろう。
      もっとも、次の二つの場合には、自己契約および双方代理が例外的に許容されている(108条但書)。
      (1) 債務の履行
      代金の支払いなどの債務の履行については、自己契約・双方代理が禁止されていない。すでに確定している権利義務関係の決済にすぎないので、本人の利益を害するおそれがないからである。
      (2) 本人があらかじめ許諾した行為
      本人があらかじめ許諾した行為についても自己契約・双方代理が禁止されていない。本人保護の必要がないからである。この例外は、108条が任意規定であることを意味している。もっとも、本人があらかじめ許諾していたとしても公序良俗違反として無効となる場合もありうる(たとえば、将来紛争が生じた場合に賃貸人の代理人が賃借人の代理人を兼務する特約など)。


       所有権移転登記申請は売主買主から代理を受けるので、双方代理である。ただ、登記申請行為は、債務の履行に関するものであるからできるとされている(昭和43年03月08日 最二小判は「登記申請行為は、すでに効力を発生した権利変動につき法定の公示を申請する行為であり登記義務者にとつては義務の履行にすぎず代理人によつて新たな利害関係が創造されるものではないから権利者義務者双方の代理人となつても108条本文並びにその法意に違反するものではなく双方代理のゆえをもつて無効となるものではない。弁護士が双方代理することになっても特段の事由のないかぎり、依頼者の信頼を裏切り利益を害するものでもなく、弁護士の信用品位を涜すものともいえない(筆者にて要約)」と判示している)。
      本事例においても債務の履行に関するという点でだけであれば、受任できる。
      しかし、司法書士甲は、成年被後見人Aの法定代理人であり、事実上売主そのものとして、その前提たる実体契約に関与するものであり、その行為を一連としてみると実体において買主を害する恐れがあるから、登記申請につき双方代理をすることは買主から登記申請報酬を受領するか否かに係わらず受任すべきでない。


      もっとも居住用不動産の処分の場合は家庭裁判所の許可が効力要件であり、許可の内容を履行するのみの行為であるので、登記申請代理を買主Bから依頼されたとしても受任できると思われる。もっとも、その場合であっても、買主Bから報酬を受領することは、公正を保ちえないので受領すべきではないと考える。



      2017.09.01 Friday

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